歴史上、もっとも古い鍵はエジプトのものだと言われています。
エジプトの壁画にも絵が描かれています。
エジプトでは木製のものを使っていたようですが、それまでは紐を複雑に結び合わせたものを使っていたそうです。
複雑に結び合わせていたとしても紐は紐です。
誰かが開けようと思えば簡単に開けることができるでしょう。
そう考えると、例え木製であってもちゃんとした鍵が登場したのは画期的なことだと思います。
古代エジプト、そしてギリシャ、中世のヨーロッパの都市でも鍵はその都市を象徴するものでした。
今でも姉妹都市の提携をする時に交換するのは、その都市を象徴するものだからでしょう。
いまでも中世の習慣が残っています。
中世では都市を象徴するものであっても、今では日常生活で普通に使っています。
あり過ぎて困ってしまうこともあるほどです。
車や家はもちろんですが、会社に行けばロッカーや机など、ありとあらゆるものにあります。
家には大事なものがあるわけですし、車はそれ自体が大事なものです。
誰かに乗って行かれては大変でしょう。
昔は都市の象徴だったものが、いまは誰かに取られないように何かを守るために使っているように思います。
これだけ多くのものに利用されているということは、きっと中世の頃より守るものが多くなっているということなのかもしれません。
そういえば、古代で鍵らしきものが使われるようになったのは、子孫に大切なものを残したいという工夫からだったと聞いたことがあります。
個人の財産ができるようになってきたころだといいます。
お金が生まれたのもこの時代だといいますから、共同体にすべてをゆだねるのではなく、個人の財産が生まれた時に鍵らしきものも生まれたということなのでしょうか。
そうすると、個人主義の登場とともに生まれたといってもいいのかもしれません。
最初に使った人というのは本当に大切なものを何を守ろうとしたのでしょう。
歴史からも鍵の存在の大切さを伺うことができます。